導入事例 千葉工業大学様

お客様プロフィール
学校法人千葉工業大学様
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本部 | 千葉県習志野市津田沼2丁目17番1号 |
創立 | 1942年 | |
学部 | 工学部、情報科学部、社会システム科学部(3学部) | |
概要 | 創立70年以上と、理工系私立大学として最も長い歴史を持つ。3学部11学科と大学院で、約1万人の学生と約300人の教員を擁する。キャンパスは、新習志野キャンパス、津田沼キャンパス、東京スカイツリータウンⓇキャンパスの3カ所。 | |
URL | http://www.it-chiba.ac.jp/ |
課題と導入効果
千葉工業大学は、宇宙、ロボットに関する研究で世界最高レベルの技術の高さを誇る。小惑星探査機『はやぶさ2』に搭載される科学観測機器の検討と開発に参加している「惑星探査研究センター」、福島第一原子力発電所内の探査を行う『さくら2号』をはじめ災害対策や社会貢献を目的とするさまざまなロボットを開発する「未来ロボット技術研究センター」などを有している。
科学技術の発展には資金が不可欠だ。文部科学省をはじめとする各省庁、日本学術振興会をはじめとする独立行政法人等は、大学・研究機関へさまざまな形で研究費を助成している。
一方で、こうした公的研究費を利用する大学・研究機関の現場では、不正利用の例が後を絶たない。公的研究費の不正利用を未然に防ぐこと、そして、公的研究費の使用プロセスを健全化することは、大学・研究機関の責務であり、ひいては「科学技術創造立国・日本」を支える重要な要素といえる。
千葉工業大学は、この課題に果敢にチャレンジ。物品の購入申請を電子化するシステム構築と、納入物品の全品検収によって、不正利用防止と業務改革に飛躍的な成果をあげている。
導入前の課題 | 導入効果 | |
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公的研究費の不正利用防止強化 | ![]() |
物品購入手続きの流れを変え、健全なプロセスを遵守するしくみを確立 |
紙ベースの伝票処理 | 電子化することで、全体の流れを見える化・透明化 | |
場所を問わず電子決裁できることでワークフローの滞りを解消 | ||
予算管理 | 会計システムから予算マスターを受け取り、申請者が選択できる予算の範囲を制御 |
導入サービス概要
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予算使用の健全なプロセスを堅持しつつ、全体の流れを「見える化・透明化」することで、全品検収の運用も可能に。 |
ご担当者様インタビュー
千葉工業大学様 http://www.it-chiba.ac.jp/
intra-mart導入のきっかけは?
公的研究費の使用プロセスを透明化するためにシステム化

常務理事
宮川 博光 様

法人事務局
局次長
前田 修作 様
千葉工業大学(以下、千葉工大)は、宇宙、ロボットに関する研究で世界最高レベルの技術の高さを誇る。
「本学の惑星探査研究センターは、小惑星探査機『はやぶさ2』に搭載される科学観測機器など宇宙関連プロジェクトに参加しています。
未来ロボット技術研究センターでは、福島第一原子力発電所内の探査を行う『クインス』をはじめ、災害対策や社会貢献を目的とするさまざまなロボットを開発しています」と、学校法人千葉工業大学 常務理事の宮川博光氏は紹介する。
研究水準が高いだけに公的研究費の金額も多い。
「これまでも、公的研究費の不正利用防止という課題には前向きに取り組んできましたが、2012年から2014年にかけて、事務手続きの変更と現体制を確立しました」と、宮川氏は説明する。
「従来の紙ベースの運用には限界を感じていました。押印のために学部長や学科長を探したり、不明点が生じれば伝票の山を掘り返したりしなければなりませんでした。
事務手続きも、従来のように教員が業者へ物品購入などを発注し、後で事務方へ支払を依頼するという流れを根本から見直しました。教員と業者の間には必ず事務職員が入り、予算管理や、場合によっては相見積をとって公正な取引を追求するため、それを支えるシステムが不可欠であろうということになりました。」
intra-mart、クレオを選ばれた理由は?
クレオのこれまでの実績と提案内容を評価
「以前からクレオの人事システム(ZeeM)を導入していたので、今回構築するシステムも人事システムと連携して何かできるかもしれないと思い、まずクレオさんに相談しました。そこでintra-martを基盤としたシステムを提案していただきました。」
短期開発、信頼性、クラウド対応、使い始めた後の豊かな拡張性で、intra-mart Accel Platformを選択
発注案件すべてを電子化するシステムの導入は、全国の大学でも珍しいモデルケースであり他機関からも注目され、1日も早いサービスインが期待された。
システム構築にintra-mart Accel Platformを用いることにしたのは、信頼性が高く、実績ナンバーワンのワークフローエンジンであるため、安定したシステムを短期開発できるからだ。拡張性が高いため、急いで使い始め、年を追って機能を追加していくことも容易にできるとも判断した。
千葉工大は数年前から、データセンタ利用やクラウド化を積極的に進めてきた。サーバ管理に学内職員が忙殺されることなく、サービス利用に徹することができるからだ。発注システムも、当然のこととして、サーバ管理が不要なクラウド方式を選択した。発注システムは、約1年間の開発や準備期間を経て、2014年4月、本稼働を開始した。
導入の効果は?

施設部 用度課
課長
平田 幸夫 様

研究支援部 産官学融合課
課長
大平 一哉 様
健全なプロセス堅持と、業務改革の両面で成果
発注システムは、予算使用の健全なプロセスを堅持し、全体の流れを「見える化・透明化」するという大きな成果をあげた。「予算確認後の発注」も徹底された。
省庁や独立行政法人が行った2014年度実地調査でも、「しっかりやっている」「トレーサビリティの高い良いモデルケースだ」と、評価を受けている。
業務改革も進んだ。
千葉工大は、学生及び教職員全員にiPad貸与している。そこで、承認者はこのiPadを使って、学内に限らず学外でも自分が今いるところで電子決裁できる。
例えば海外出張しても、ワークフローが滞ることはない。システム化する前のように急ぎの押印を求めて、学科長や学部長を探し回る手間はなくなった。
「これまで申請から発注まで2~3週間かかっていた案件が、数日で発注できるようになりました。急ぎの案件であればその日のうちに発注することもできるので『明日の実験に必要な試薬』にも対応できます。急ぎであっても定められた承認ルートが順守されるので、後から手続きを追跡することも容易になりました。」
「申請の種類によっては必ず見積もりとカタログを添付しないと登録できないなど、入力ミスのチェック機能も組み込まれていますし、発注前の購入可否の判断を確実に回せるようになったことで差戻しも減っています。
発注システムによって予算使用の健全なプロセスを堅持し、全体の流れを「見える化・透明化」することで、金額の過多にかかわらず納品時には検収室で全品検収するという運用も可能になりました。」
次の課題は、相見積を効率よく取得するしくみだ。取引先業者も発注システムに入れるようにして、業者への見積依頼、業者からの見積提示、さらには、用度課から申請者への見積結果のフィードバックまで、システム内で効率よく行えるようにしたいと考えている。
「電子決裁する領域を学外の業者にまで拡大し、見積プロセスまでシステムに取り込むことで、不正防止強化と業務効率向上の両面のメリットが期待できます」と前田氏は語る。
千葉工大は、システム共通基盤であり、業務改善基盤でもあるintra-mart Accel Platform上に、公的研究費利用の透明性の高い将来像を、次々に描いていこうとしている。
(一部引用:NTTデータ イントラマート社)